遺留分の放棄 ■このサイトは、後藤行政書士事務所が運営しています。 |
遺留分は、相続発生前に放棄することが出来ます。これは相続放棄とは異なる ところです。相続放棄は相続発生前には、することができません。「遺留分の 放棄」と「相続の放棄」とは、混同しがちです。間違えないで下さい。 この遺留分の放棄をするには、家庭裁判所の許可が必要です。 親が遺留分放棄を強要したとみられる場合や、一方的に不利益の場合には、 認められません。そのために裁判所の許可が必要となってくるわけです。 それでも、申し立てたうちの9割近くが、認められているようです。 なお、裁判所のほうでも、遺留分放棄の許可を認めるかどうかにつき、 基準を設けています。 1、放棄が本人の自由意思にもとづくものであるかどうか 2、放棄の理由に合理性と必要性があるかどうか 3、代償性があるかどうか(たとえば放棄と引きかえに現金をもらう、など) このような基準に照らして、許可されたり、却下されたりします。 遺留分の放棄は、例えば被相続人が「長男に遺産を全て相続させる」という遺言 を残し、そして他の相続人には遺留分を放棄させて、長男にすべてを相続させ たいというような場合に行います。 遺留分を放棄する為には、被相続人が遺言を作成している事が必要となります。 遺言状がないのに遺留分を放棄すると言っても、家庭裁判所では申立を受け付けて くれないかもしれません。 なぜならば、遺留分の放棄がなされても、相続放棄をしたことにはならないからで す。 遺留分を放棄した者も、相続が開始すれば当然に相続人となります。ですから、 被相続人が遺言を残さず死亡した場合には、遺留分を放棄した者も、法定相続分 による遺産の相続をすることになります。つまり遺留分放棄がなされても、遺言状 がなければ、放棄をした意味がないのです。 遺留分を放棄した者は、自己の相続した財産が遺留分に達していなくても、 もはや文句は言えません。ただ、遺留分を放棄しても、相続人であることに 変わりはないので、相続財産に債務がある場合には(借金など)、債務を負担 することになります。もし債務を負担したくない場合には、相続放棄の手続 が必要です。 ちなみに、相続開始後の遺留分の放棄は自由に行えますので、家庭裁判所の 許可は必要ではありません。 なお、遺留分放棄がなされたとしても、他の相続人がもらえる遺留分が増える ワケではありません。 無断転載・転送を禁じます。 Copyright(C)2004 後藤行政書士事務所 All Rights Reserved. |
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